講座

篠田泰之と『音吉』の出会い

　篠田泰之は、岐阜県関市の刃物メーカーを定年退職後、かねてより温めていた日本の歴史研究に取り掛かる。
　その矢先、出会ったのが、19世紀幕末に美浜町小野浦で生まれた船乗り「音吉」だった。
　篠田は調べれば調べるほど、「こんな日本人がいたのか！」と音吉に惚れ込んだ。

　音吉は、嵐のため現在の浜松沖で遭難。
　14カ月間の漂流を経て岩吉、久吉と共に日本人初のアメリカ上陸。先住民マカ族に救われ、イギリス人から英語を学ぶ。そしてキリスト教との出会い。ハワイを経由して日本人初のイギリス上陸。
　マカオでは、宣教師ギュツラフのもと、岩吉、久吉と協力し、日本で最初の和訳聖書に携わる。
　その後、モリソン号で日本帰国を目指したものの異国船打払令で砲撃され、音吉は、断腸の思いで帰国を断念。

　だがしかし、音吉はそれでは終わらなかった…

　音吉が残したものは何か、どれほど凄いことなのか、なぜ篠田はそれほどまでに音吉に惚れ込んだのか。
　自称「さすらいの研ぎ屋さん」篠田泰之が、「今の日本にこそ音吉が必要だ！」という熱い想いをシリーズで語る。